『人は死なない』矢作直樹(バジリコ)

人は死なない|We are all one.(僕等は皆一つ)

http://ameblo.jp/mother-teresa/entry-11738958555.html

にてまとめられています。

著者紹介

矢作直樹(やはぎ・なおき)

東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および医学部附属病院救急部・集中治療部部長。

1981年、金沢大学医学部卒業。その後、麻酔科を皮切りに救急・集中治療、外科、内科、手術部などを経験。1999年、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授。2001年より現職。

2011年、初めての著書『人は死なない』(バジリコ)が7万部を超えるベストセラーとなり、話題となる。

人間の魂について。人は死なない

あとがきから

「なお、本書で紹介した霊魂についての様々な事例については、なかなか信じることができないかもしれません。ただ、私としては頭から先入観をもって否定するのではなく、そんなこともあるのかもしれないな、といった程度の思索のゆとりを持っていただければ、と思うのです。
 実のところ、本書のモチーフは極めてシンプルなものです。人間の知識は微々たるものであること、摂理と霊魂は存在するのではないかということ、人間は摂理によって生かされ霊魂は永遠である、そのように考えれば日々の生活思想や社会の捉え方も変わるのではないかということ、それだけです。」

一般人よりも、医療や科学の第一線で働いてこられた方の方が、人間の科学知識の限界を認識されているんだな。これが、日本の学歴社会の中のエリートである東京大学医学部の教授の発言だということに、意味があります…。 

第5章から

人間の智恵を超えた大いなる力(摂理)と生の連続性、そしてそれを認識した上で人はいかに生きるか、といったことについて自分なりに考えたところを述べてみたいと思います。

●人の知は有限

●足るを知る

●心身を労る

●利他

感想

スピリチュアルも元々は当時の第一線の科学者達によって先導された研究だったらしいです。
科学者の中にも、不思議な体験をしたことがある人達がいて、それではじめられたらしいです。

欧米での心霊研究の歴史についてもまとめられていたので、参考になりました。

(欧米人の書いた本を読むと、キリスト教がベースにあるなって思うことも多い。)


日本人の大学の先生が書かれた本ということもあって、伝統的な日本人の死生観にも触れられていたのがおもしろかった。どんなものにも神は宿るという多神教の国で、宗教の流派にとらわれずに、敬う心を持っているという。どんな宗教でも大本は同じだからという考え方。それで、クリスマスを祝い、お正月は神社へお参りに行き、お盆には仏教の方式で先祖を迎え入れるという。


一つの宗教で真理を独り占めしないこと。どんな宗教にも真理に即した部分と、そうでない部分がある、とのこと。 


生命の危機に瀕した登山家の不思議なエピソードなども語られていた。それから。孤独死も、恐れることではないように思えてきた。 


著者が霊魂の存在に対して肯定的になったのは、自身の体験と、あと、実体験を話をしてくれた人たちが、人として信頼に足る人たちだからだったとのこと。生業を持っていて、不思議な体験だったり、霊能の力を金銭に換えたり、大きな組織をつくったりしていない人たちだったから。人に話すと変な目で見られてしまうからと、それまでは自分の臨死体験は一度も人に話したことはなかったのに、著者が面識のある医師で、霊性に関する書籍を書くと言うことで、話してくれた方もいらしたとのこと。