narrow one's eyes → ○目つきが険しくなる /×目を細める

翻訳小説を読んでいると、ときどき「目を細くして言った。」という表現が出てくる。

前後の文脈から、「he said, narrowing his eyes.」を訳したもので、怒っている時に言っているものなんだろうなと思われた。

narrowは細くするっていう意味があるけれど、直訳して「目を細くする。」にしちゃうと、日本語だと別の意味になってしまうから。孫を見て目を細める、とか、笑って目を細めるとか、うれしいときの意味で普通は使われる。日本語の「目を細める」は、顔全体も目も笑っていて、目尻が下がっていたり、目が三日月型に細くなっているようなイメージ。

 

翻訳家でも日本語表現に気を遣う人だと、「険しい目つきで言った。」と訳してくれるんだけれど…。「narrow one's eyes」は、気分を害した人が、顔のほかの部分はこわばっていて、顔も目も無表情に近くて、目は座ったままで(または目が怒っていたりして)少しだけ細くなるようなイメージ。

和英辞典には、「narrow one's eyes は通例疑惑・怒りなどの表情を示す。」と記載されていました。