漫画版 風の谷のナウシカ (ネタばれ注意) 何回読んでも難解

アニメが好きだった。小学生のころ。
それで、漫画を買ってみて。当時はたしか1巻までしか出ていなかった。
小学生のころの私には難解で何回読んでも理解できなかった。

アニメとも雰囲気違ったし。アニメの方は小学生が見てもわかりやすくて、おもしろいものだったけど。

 

なんとなく、ヨーロッパの古代~中世の戦争がベースになっているんだろうなとか、キリスト教文化圏ぽいな、ということは子供ながらにわかったけれど。今見ると、防毒マスクは現代っぽい。

その後も数年おきに新刊が出るたびに単行本は購入して、最後まで読んでみたけれど、やっぱりわからなかった。(発刊間隔が開いていたっていうこともあるのかも。)

でも、先日ネットで漫画版ナウシカの解説が載っていて、解説を読んだらやっと理解できました。ありがとう。

 

火の七日間=争いばかり起こす人類に対して、人類が作った巨神兵により、人類を滅亡させた方がよいと判断されたために起こった。

ナウシカ達が生きていける世界の終わり=新しい清浄な世界の始まり

(完全に浄化された世界では、清浄すぎるため、自然な人間、旧人類では環境に対応できず、生きていけない。)

おだやかでかしこい人間となるべく作られた人造人間(新人類)は、完全に浄化された清浄な環境でないと生きていけない。


争いを起こさないような性格につくりかえられた人間っていう部分はきな臭いなあ、とは思う。争いを全く起こさない人間=自分の気持ち、自由意志がない人間になるっていうことで。
清浄な環境に適応するために、肉体改造のみだったらいいかな、とも思うけど。

マンガ版ナウシカ論 くねくね科学探検日記
http://blog.blwisdom.com/shikano/201003/article_45.html 

 時代が移ったことで、何を嫌い、何を受け入れるかのアイテムのセットは変わったけれど、やっていることはまったく同じ。構造的には、一昔のテクノロジー万歳主義と、何一つかわっちゃいない。
 そういう、まったく同じ考え方の輪廻の中にいる限り、早晩、かつての科学万能主義時代に起きたのと同じような、イヤンな問題が持ち上がってくるんじゃないだろうか。
 そういう考え方よりも、たとえ人間が作り出したものだって、社会の中に定着しちゃったら、それは「自然」の一部と考えるほうが適切じゃないか。それが今、環境の中でどんな位置を占めるかだけが重要で、その出身による区別なんかまったく意味がない。
 安全でおいしい食べ物が、多くの人に行き渡るようにしたいというのがたぶん誰もが望む事なのだと思うけど、それだったらそれなりの、今の技術の適切な使い方があるだろう。出身が比較的最近あみ出された技術だから、その方法は汚れているから使わないってのは、疎外的な教条主義に過ぎない。
 漫画版のナウシカの凄いところは、物語の進むすべての段階で、そういう教条主義に陥ることなく、つねに人間疎外的でない道を選ぼうとし続けていくことだ。


(中略)

 古代人の地球再生プログラムには、地球が清浄に戻ったとき、人間をもとの環境で生きられる体に戻す技術も組み込まれていた。でも、物語の最後で、ナウシカはその地球と人類の再生プログラムを担ったバイオコンピュータを、その使命を知っていたからこそ殺してしまう。
 生まれ出た生き物は、その出自がたとえなんであろうと、自分たちの意思で生きていく権利がある。それを完全に管理し、ある目的の道具とするのは、それがたとえ良い意図に見えても、超過保護的で人間性を疎外する。ファシズムなんてその典型だし、子供に対する過保護もまったく同じ論理構造を持っている。

【閲覧注意】ナウシカの裏設定って知ってる? : ダメージ0
http://damage0.blomaga.jp/articles/9506.html

 

328: ダメージ774 :2013/02/13 id:MjI2OGNj

 

前に他のサイトで
>1を原作漫画を元にした正しい設定に訂正したことがあるから
それをもう一度載せとくよ。

 

>文明人が戦争を繰り返した結果、大気が汚染されて生きていけないレベルまで深刻化

 

大気汚染、オゾン層破壊、砂漠化、新種の病気など
環境破壊の原因は数百億まで増えた人間であり、戦争と限定されているわけじゃない(7巻)。
文明を滅ぼした「火の7日間」も調停者の裁定であって、人間が戦争を繰り返したという表現は適切でない。


>大気の汚染を浄化するために、大気を浄化する菌と蟲を精製(腐海

 

腐海の木々が浄化するのは「大地の毒」であると主に書かれている(3巻)のに、大気を浄化というのでは間違い。
そして蟲は大地を浄化する森を守るのが役割あって、自らが浄化するわけじゃない。


腐海が大気を浄化するまでに数千年はかかるため、文明人は大気が浄化されるまで卵となり眠りにつくことを決めた

 

人間は汚した世界に合うように自分達の身体を変えたとある(7巻)。
つまり汚染に適応しているナウシカ達が文明人の末裔である旧人類であり、地上で生活を続けている。


>全員が眠ってしまうと眠りを覚ます者がいなくなるため、眠る前に人造人間を精製(将来のナウシカ達)

人類は眠ってないので間違い。身体を変えられただけで作られたわけじゃない。

>眠りから覚めた際、人造人間と争いが起こる可能性があるので、人造人間を浄化された大気では生きていけないように作る

 

微生物も植物も全て浄化された大地、水、大気では生きていけない(7巻)。
滅ぼすように仕組まれたというより、人間に限らず、汚染に適応させられた生物は完全に清浄な所では生きていけない。


>文明人が眠りについてから数百年後、腐海は順調に世界に侵食
>人造人間たちは大気を浄化する腐海が自分達にとって毒であるため、敵視する。更に世界で戦争を続ける

 

← ここが映画

腐海の出す瘴気は普通に猛毒。天地が清浄だった時の生き物は腐海のほとりに住めない(7巻)。


ナウシカは世界の戦争と関わる内に、自分達が人造人間であり、大気が浄化されるまでの“つなぎ”の存在だと知る

 

前述のようにナウシカ達は改造人間であって人造人間ではない。
大気が浄化されると、清浄な世界に合うように旧人類の身体を元に戻す技術もあり
すぐに絶滅させられるわけではなく、新人類との交代はゆるやかに行われる(7巻)。


>納得ができないので文明人が眠る場所を探し当て、皆殺しにする

 

眠っているのは、おだやかでかしこい人間となるべく作られた人造人間(7巻)。


>現実を知ったナウシカは森でイケメンとセックル三昧で余生を過ごす

 

その後ナウシカは土鬼の地で土鬼の人々と生きた。
後に森の人の元に行ったとも風の谷に帰ったとも伝えられている(7巻)。
言うまでもないがセックル三昧云々は妄想。

 

305: ダメージ774 :2013/02/10 id:MzQyMGZl

コナンは原作をアニメ化したもの。
裏設定ではないけど、ナウシカの世界観や火の7日間とか細かいところで宗教観が見える。
特に人類総補完なんかは外典ヨハネの黙示録を彷彿させる。エヴァは露骨だがナウシカは上手く溶け混んだ世界を見せている。

(2013-10-26 作成)